「病院でデザレックスっていう薬貰ったんだけど、どんな薬なの?」
「他のアレルギーの薬と比べて何が違うの?」
「副作用や飲み合わせが悪い薬もあるの?」
などいろいろな疑問があると思います。
今回は、2016年の11月に発売された新しいアレルギー薬、デザレックスについての情報をまとめてみました。
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最初の簡単なまとめ
- デザレックスは、食事の有無に関係なく1日1回で服用する。
- アレルギー薬の強さとしても、トップクラスの強さがある。
- 眠気の頻度もとても少なくて、使いやすい薬である。
- 飲み合わせはエリスロシンに注意。
デザレックスの飲み方
通常、12 歳以上の小児及び成人にはデスロラタジンとして 1 回5mg を 1 日 1 回経口投与する。
デザレックスの添付文章より
デザレックスは、1日1回5mgで飲みます。
添付文章には、朝食後や夕食後など、飲むタイミングが指定されている場合も多いのですが、デザレックスに関しては書かれていません。
実は、この解釈としては1日1回であれば時間に関係なく服用して大丈夫と言うことになります。
なので病院によっては、
1日1回 起床時に服用
1日1回 朝食後に服用
1日1回 昼食後に服用
1日1回 夕食後に服用
1日1回 寝る前に服用
など、薬の袋に書かれている飲み方の指示が変わってくる可能性があります。
どれも、正しい指示ですので、安心してお飲みください。
デザレックスの強さ
デザレックスは、アレグラ(フェキソフェナジン)やジルテック(セチリジン)に比べて効果が高いと考えられています。
なので、アレルギーを抑える他の抗ヒスタミン薬と比べると、ザイザル、アレロックなど強さは一番強いグループになります。
【関連記事】アレルギー薬の強さ比較 ランキングとグループ分け
その根拠となるのは、デザレックス錠5mg医薬品インタビューフォームの以下の部分です。
表 ヒトヒスタミン H1受容体に対する Ki値
薬物 例数 Ki 値(nM)[ng/mL] デスロラタジン 4 0.9 ± 0.08 [ 0.28] ロラタジン 4 138 ± 23 [52.8 ] フェキソフェナジン 4 175 ± 68 [87.8 ] クロルフェニラミン 3 2.0 ± 0.2 [ 0.55] エピナスチン 3 0.4 ± 0.06 [ 0.10] ケトチフェン 3 0.14 ± 0.01 [ 0.04] アゼラスチン 3 1.1 ± 0.3 [ 0.42] エバスチン 4 51.7 ± 6.8 [24.3 ] セチリジン 4 47.2 ± 10 [18.4 ] 各値は Ki 値の平均値±標準誤差を示す。
デザレックス錠5mg医薬品インタビューフォームより
なんだか難しい表がありますが、見る所は「Ki値」の部分だけを比較します(^_^;)
簡単にいうと、「Ki値」が低ければ低いほど効果が高いという解釈になります。
先ほど名前を出した3つの薬を挙げてみると…
デザレックス(デスロラタジン) 【0.9】
ジルテック(セチリジン) 【47.2】
アレグラ(フェキソフェナジン) 【175】
より、デザレックスが一番強いかなと。
ただ、これは細胞レベルでの実験室内での結果であって、実際のヒトで試験した結果ではないです。
なので、参考程度にするのがよいと思います。
デザレックスの効果が出る時間
また、日本人健康成人に、デスロラタジン錠 5mg を 1 日 1 回 10 日間反復経口投与した際の血漿中デスロラタジン濃度の最高血漿中濃度到達時間(Tmax、中央値)は投与後 2 時間で、見かけの消失半減期(t1/2、幾何平均)は 22.7 時間であり、1 日 1 回投与が可能であることが示されている。
デザレックス錠5mg医薬品インタビューフォームより
デザレックスは、薬を飲んでから2時間くらいすると、体の中に吸収されて血液中に存在する量が多いとのことです。
なので、人にもよると思うのですが、薬を飲んでから2時間経てば効果が期待できると思います。
そして、この服用後2時間という時間帯では、副作用が起こる可能性もゼロではありません。
薬を服用してから、なぜだかいつも2時間後に体の不調や眠気が起こるという方は、この薬が原因で副作用が起こっている場合がありますので、医師や薬剤師と相談してみてください。
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デザレックスの副作用
アレルギー性鼻炎及び慢性蕁麻疹を対象とした国内第Ⅲ相試験において、505 例中 20 例(4.0%)に副作用が認められた。主な副作用は、傾眠 5 例(1.0%)、白血球数増加 3 例(0.6%)、血中コレステロール増加 2 例(0.4%)であった。(承認時)
デザレックスの添付文章より
デザレックスの副作用としては、眠気、白血球数増加、血中コレステロール増加などが低い頻度であります。その他さらに低い頻度として、頭痛、頻脈、動悸、口腔乾燥、発疹、疲労感が起こる可能性もあります。
アレルギー薬といえば、眠気の副作用がつきものですが、デザレックスで眠気の起こった人は505人中5人と、とても眠気の少ない薬といえます。
【関連記事】アレルギーの薬 眠気の副作用比較 あなたの薬は眠気の確率何%?
デザレックスと他の薬の飲み合わせ
- エリスロシン
- ケトコナゾール
と一緒に飲むと相互作用が出てくるので注意が必要です。
機序は不明であるが、エリスロマイシン又はケトコナゾールとの併用で血漿中濃度の上昇が認められた。
デザレックスの添付文章より
この血漿中濃度の上昇というのをどう解釈するかということなのですが、通常に飲むよりも多くの薬の量が体に入るということになります。
ただ、濃度の上昇があるけども、直ちに副作用が起こる水準ではないため【併用注意】という区分になります。注意して使うということですね。
もし、これが必ず副作用が起こるので、絶対に併用してはダメということならば、【併用禁忌(へいようきんき)】となり、そのように添付文章に明記されます。今回の相互作用は、この区分ではありません。
エリスロマイシン
エリスロマイシンとは、マクロライド系の抗生物質です。
薬の商品名としては、エリスロシンなどの名前で呼ばれています。
マイコプラズマ肺炎や他の細菌感染症の治療のために使われることがあります。
【関連記事】マクロライド系抗生物質の一覧と特徴 ペニシリン系と何が違うの?
ケトコナゾール
ケトコナゾールは、アゾール系の抗真菌薬で真菌感染症の治療で使われることがありますが、日本国内では飲み薬の販売はされていません。
デザレックスとアルコール、お酒の併用
健康成人男女(23 例)を対象にアルコール併用又は非併用下で精神運動機能に及ぼす影響を検討したとき、アルコール併用の有無にかかわらず、デスロラタジン錠7.5mg 単回投与時の精神運動機能はプラセボ投与時と有意差がなかった。(C98-551 試験)
デザレックス錠5mg医薬品インタビューフォームより
通常のアレルギー薬では、アルコールと併用すると、眠気の副作用が通常よりも高い頻度で起こることがあります。
しかしデザレックスは、アルコールと併用しても特に眠気の副作用や判断能力後に影響を及ぼさないと考えられます。
ただ私個人としては、できればアルコールとの併用はあまり勧めたくありません。
というのも、上記の記述は眠気に対してだけ考えた結果であって、他の副作用が起こらないと証明されたわけではありません。
抗生物質とお酒の併用の記事でも書きましたが、アルコールを肝臓で代謝されるし、お薬も肝臓で代謝されます。肝臓の仕事量が増える結果として、資料には記載されていない思わぬ副作用が出てくることもあります。
【関連記事】抗生物質とお酒の飲み合わせの一覧 その薬は一緒に飲んで大丈夫?
もし毎日お酒を飲むことが習慣になっている場合には、デザレックスの服用時間を飲酒の時間とずらした方がより安心かなと思います。
例えば、
朝食後 デザレックスを服用
夜に晩酌
みたいな感じです。
デザレックスと食事の影響
デザレックスは、特別食事の影響を受けません。
なので、1日1回服用で、食前服用でも食後服用でもよいということにつながります。
この部分が、ビラノアと違う点であり、患者にとっては服用しやすいメリットがあります。
【関連記事】ビラノア アレルギー薬としての強さと副作用などのまとめ
1)食事の影響(外国人)
健康成人(24例)にデスロラタジン錠5mgを食後(高脂肪高カロリー食)に単回経口投与したとき、血漿中デスロラタジン及び3-OHデスロラタジン濃度(Cmax及びAUC)への影響はいずれも認められなかった。
デザレックスの添付文章より
デザレックスとグレープフルーツジュースの影響
デザレックス服用中に、グレープフルーツジュースを飲んでも影響がないので、大丈夫です。
2)グレープフルーツジュースの影響(外国人)
健康成人(23例)にデスロラタジン錠5mgをグレープフルーツジュース摂取後に単回経口投与したとき、血漿中デスロラタジン及び3-OHデスロラタジン濃度(Cmax及びAUC)への影響はいずれも認められなかった。
デザレックス錠5mg医薬品インタビューフォームより
なぜ、オレンジジュースでもなく、グレープフルーツジュースがいきなり出てくるのかと思いますよね。
実は、グレープフルーツジュースは、フラノクマリン誘導体という成分が含まれていて、それが原因で、薬の効果を高めてしまうことがあるからです。飲み合わせが注意な場合としては、血圧の薬のカルブロックなど有名です。
今回は、デザレックスとは飲み合わせが大丈夫なので、安心して飲めますね。
ちなみに、同じアレルギー薬の仲間であるビラノアは、グレープフルーツジュースの影響をうけるので、注意が必要です。
【関連記事】ビラノア アレルギー薬としての強さと副作用などのまとめ
まとめ
- デザレックスは、食事の影響を受けない。1日1回服用する薬。
- アレルギー薬の強さとしては、アレグラ、ジルテック以上の強さが期待できる。
- 眠気の頻度は、505人中5人もとても少ない。
- 薬の効果が出る時間は、服用してから2時間以降。
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