「マクロライド系抗生物質って、どんな抗生物質なの?」
「ペニシリン系とマクロライド系って何が違うの?」
「同じマクロライド系抗生物質でも、何が違うの?」
など、マクロライド系抗生物質でわからないことが多いと思います。
今回は、マクロライド系抗生物質の一覧と特徴についてまとめてみました。
病院でもらうことが多いのは、14員環マクロライドのクラリスや15員環マクロライドのジスロマックになると思います。
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マクロライド系抗生物質の特徴
- 抗生物質の中では、下痢などの副作用が比較的少ない。
- 抗菌スペクトルが広く、ペニシリン系の範囲であるグラム陽性菌+細胞内寄生菌。
- しかし、日本では菌の耐性化が進んでいて、実際はグラム陽性菌にはあまり有効でない。
- 非定型肺炎の原因であるマイコプラズマ、クラミジアなどに有効。
マクロライド系抗生物質のグループ分け
14員環マクロライド
- クラリスロマイシン(商品名:クラリス、クラリシッド)CAM
- エリスロマイシン(商品名:エリスロシン)EM
- ロキシスロマイシン (商品名:ルリッド)RXM
クラリスやクラリシッドは、ピロリ菌の除菌の際に使われることもある。
子供用の粉薬では、苦みを強く感じるものがものが多い。
服用が不規則になりマクロライド系抗生物質に対する耐性菌の発生が起こりやすい。
15員環マクロライド
- アジスロマイシン(商品名:ジスロマック)AZM
ジスロマックは、1日1回の服用で良い。
3日間服用すると、効果が7日間続く。
服用の不規則さ(コンプライアンス不良)が起こりにくくなった。
16員環マクロライド
- ジョサマイシン(商品名:ジョサマイ)JM
- スピラマイシン(商品名:アセチルスピラマイシン)SPM
14員環マクロライド系抗生物質(クラリス、クラリシッドなど)と比べると、幾分苦みが軽減している。
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マクロライド系抗生物質と下痢
マクロライド系抗生物質は、服用すると下痢を起こす人がいます。そのメカニズムは、マクロライド系抗生物質が代謝されると、胃腸や蠕動(ぜんどう)運動を活発にするホルモンと類似するものが発生し、胃腸を刺激してしまうため。
胃腸が刺激を受けると、未消化未吸収の食べ物も消化管運動により肛門の方向へ運ばれてしまうため、下痢のような症状が起きてしまう。この下痢を防ぐためには、整腸剤ではなくて腸の動きを穏やかにするような薬を飲むことが必要です。
具体的には、トリメブチン(商品名:セレキノン)などを一緒に服用することで、過剰な消化管運動を抑えることができます。
まとめ
- マクロライド系抗生物質は、副作用の下痢が起こりにくい。
- ペニシリン系では効かないマイコプラズマやクラミジアにも有効。
- マクロライド系抗生物質の下痢を予防するには、セレキノン錠の服用が有効。
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