抗ヒスタミン薬の重複服用  タリオンとザイザルは一緒に飲める?

抗ヒスタミン薬 重複服用 アレルギーの薬

「タリオンとザイザルって一緒に飲んで大丈夫?」

「抗ヒスタミン薬って、重ねて飲んでいいのかな?」

「皮膚科と耳鼻科でアレルギーの薬の飲み方が違う。」

 

など困った事はありませんか?

アレルギーの治療で使われることが多い抗ヒスタミン薬は、2種類を重ねて飲んでいい場合となケースに別れます。

今回は、抗ヒスタミン薬の重複服用についてまとめてみました。

 

 

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抗ヒスタミン薬は基本的には1種類で服用

説明1

抗ヒスタミン薬とは、ヒスタミンの過剰な働きを抑えてアレルギー反応を抑えてくれる薬のことです。

 

薬品名でいうと、アレグラやアレロック、ザイザル、クラリチンなど、一度は聞いたことがある薬かなと思います。皮膚科や内科、耳鼻科など色々な診療科で処方されるケースが多い薬です。

 

【関連記事】アレルギー薬の種類7つ 病院でもらう薬の一覧

 

この抗ヒスタミン薬は、基本的には1種類で服用します。

 

その理由は、3つあります。

  • 重複服用しても作用点が一緒なため、さらなる効果が期待できにくいこと。
  • 重複服用することによる眠気の副作用が出やすくなる。
  • 抗ヒスタミン薬の重複投与は保険適用外。

です。

 

作用点が一緒の薬は、服用しない

まず一つ目、作用点が一緒の薬を服用しないというのは、抗ヒスタミン薬だけに限りません。

胃薬なども同じ作用点をもつグループの薬は、基本的には一緒には服用しないことになっています。

 

もし、一つの薬で効果が不十分な場合は、別の作用を持つ薬を追加で服用します。

  • 抗ヒスタミン薬1つで不十分な場合は、ロイコトリエン拮抗薬を追加服用。
  • 抗ヒスタミン薬の内服+ステロイドの点鼻薬など

この辺りは、アレルギー性鼻炎治療のガイドラインにも示されています。

 

 

重複服用することで副作用が出やすくなる

同じ作用点をもつグループの薬を重複服用することによって、副作用が出やすくなることがあります。

 

例えば 、抗ヒスタミン薬の副作用として眠気が有名です。

同じ抗ヒスタミン薬を重ねて服用することで、作用点が同じなため眠気の副作用が出やすくなると考えられます。

 

このように副作用の頻度を低く保つために基本的には重複服用はしないこととなっています。

 

 

抗ヒスタミンの重複投与は保険対象外

抗ヒスタミン薬を重複で処方すること自体が、保険適用ではありません。

つまり、単純に考えて重複して服用しても、倍の効果が得られないので医療費用の観点からあまり望ましくないと考えられているので、保険適用外となるのです。

 

 

じんましん治療の時は、抗ヒスタミン薬を重ねて飲むことがある。

じんましん治療のガイドラインには、1種類の抗ヒスタミン薬で効果が不十分な時は、1~2種類の抗ヒスタミン薬に変更するとあります。

 

これは、皮膚科のじんましん治療の際には、抗ヒスタミン薬の治療効果に個人差が大きく1種類だけの抗ヒスタミン薬の内服では対処しきれないことが多いのかなと考えます。

 

単純に考えて、鼻の一部分だけのアレルギーを抑えるのか、それとも体の皮膚の全体のアレルギーを抑えるかで面積が違いますもんね。

 

このようなことから、皮膚科では抗ヒスタミン薬を重複するにも関わらず、耳鼻科では重複はしないということが起こり得るのです。

 

 

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抗ヒスタミン薬を重ねて飲むときのルール

実験2

抗ヒスタミン薬が重ねて飲むことがあると言いましたが、なんでもかんでも重ねていいわけではないようです。

 

抗ヒスタミン薬はその構造から,三環系(ザジテン,アゼプチン,アレジオン,クラリチン,アレロック)とピペリジン系(エバステル,アレグラ,タリオン)・ピペラジン系(セルテクト,ジルテック,ザイザル)に2大別されます.抗ヒスタミン薬を服用しても効果が低い場合には,三環系からピペリジン系・ピペラジン系に変更(またはその逆)するか,2剤併用の場合には三環系とピペリジン系・ピペラジン系から1剤ずつ選ぶのが良いでしょう.

はしもと小児科ホームページより

 

はしもと小児科の解説によると、抗ヒスタミン薬は3種類に分けることができます。

  • 三環系
  • ピペリジン系
  • ピペラジン系

 

この時、治療効果を高める時には、

  • 三環系 → ピペラジン系かピペリジン系に変更。
  • ピペリジン系かピペラジン系 → 三環系に変更。

 

併用をするときは、

  • 三環系+ピペラジン系
  • 三環系+ピペリジン系

が良いようです。

 

私は、今まで抗ヒスタミン薬の分類といえば第1世代か第2世代かくらいしか知らなかったので、この解説を初めて知りました。

とても勉強になったので、もう少し詳しく具体的にまとめておきたいと思います。

 

 

 

三環系抗ヒスタミン薬

ザジテン 構造式

ザジテン 添付文書より

 

三環系とは、薬の構造式の中に三環系構造を持つ化合物のことです。

構造式の上の方の部分に、丸い輪っかが3つ連なっているのがわかりますか?

輪っか=環状なので、3つの輪っかで三環系なんです。

 

具体的な三環系の抗ヒスタミン薬は、

  • ザジテン
  • アレジオン
  • アレロック
  • クラリチン
  • デザレックス

です。

 

 

ピペリジン系抗ヒスタミン薬

ピペリジン 構造式

Wikipedia より

 

ピペリジンとは上記の形を持つ化合物です。

丸い輪っかにN(窒素)を、1つ含んだ構造です。

つまりピペリジン系の抗ヒスタミン薬とは、上記のピペリジン構造をもつ抗ヒスタミン薬を言います。

 

具体的に該当する抗ヒスタミン薬は、

  • ザジテン
  • アレグラ
  • ディレグラ
  • エバステル
  • タリオン
  • ビラノア

です。

 

ザジテンは、3環系構造とピペリジン構造の2つの骨格を持つ抗ヒスタミンで、特殊みたいです。

 

 

ピペラジン系抗ヒスタミン薬

ピペラジン 構造式

Wikipedia より

ピペラジンとは上記の形を持つ化合物です。

丸い輪っかにN(窒素)を、2つ含んだ構造です。

つまり、ピペラジン系の抗ヒスタミン薬とは、上記のピペラジン構造をもつ抗ヒスタミン薬を言います。

 

具体的に該当する抗ヒスタミン薬は

  • セルテクト
  • ジルテック
  • ザイザル

です。

 

タリオンとザイザルは一緒に飲めるのか?

表題の答えですが、おそらく一緒に飲むケースは少ないと思います。

タリオンは、ピペリジン系です。

ザイザルは、ピペラジン系です。

 

併用をする時の基本的なルールは、三環系+ピペリジン系 or ピペラジン系です。

今回は、ピペリジン系+ピペラジン系の併用になってしまうので、こういうケースは少ないのではないかなと思いました。

 

 

まとめ

抗ヒスタミン薬は、基本的には1種類で服用する。

じんましん治療の際には、抗ヒスタミン薬を重複して服用することもある。

重複して服用する時のルールは、三環系+ピペラジン系かピペリジン系。

 

 

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