「テトラサイクリン系の抗生物質って、どんなものがあるの?」
「歯が黄色くなるって、聞いたことあるけど、大丈夫なの?」
「子どもにテトラサイクリン系が処方された。ちょっと不安…。」
など、色々と心配なことがあると思います。
今回は、テトラサイクリン系抗生物質の副作用の歯牙着色と子供の歯についてまとめてみました。
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歯牙着色(しがちゃくしょく)とは?
歯牙着色とは、白い歯が黄色や茶色などに着色してしまう症状です。
テトラサイクリン系抗生物質のミノマイシンなどは、骨や歯の成長を一時的に邪魔することがありその影響が、着色という形で現れます。
これは、テトラサイクリン系の抗生物質が他の金属とキレートを作りやすいことと関係があります。キレートとは、ある物質と金属がイオン結合によって複合物をつくる現象です。
簡単にいうと、金属が+で、テトラサイクリン系がーの性質がある。
+とーは、互いに引き寄せあって、まとまってしまいます。
金属(+) + テトラサイクリン(ー) = キレート複合物 |
歯にカルシウムが定着して石灰化されるべき時にテトラサイクリン系抗生物質があると、うまく石灰化ができないことがあり、歯の着色につながります。
エナメル質の形成不全と着色
テトラサイクリン系抗生物質は、歯の表面のエナメル質に影響を与えます。
エナメル質は、半透明~白色。その下の象牙質は、黄色です。
エナメル質の白さと象牙質の黄色は、個人差があってその組み合わせによって最終的な歯の色が決まります。
濃い白いエナメル質 × 薄い黄色の象牙質 = 白い歯
薄い白いエナメル質 × 濃い黄色の象牙質 = 黄色っぽい歯 |
テトラサイクリン系を飲む年齢と影響が出る歯
0歳~3歳未満 | 3歳~6歳くらい | |
前歯への影響 | 先端1/3が着色あり | 根元1/3が着色あり |
小臼歯への影響 | 着色なし | 着色あり |
大臼歯への影響 | 着色あり | 着色なし |
テトラサイクリン系抗生物質を飲む年齢と影響を受ける歯の場所をまとめてみました。
0~3歳の時に飲んだ影響
0~3歳くらいの時期に服用すると、前歯の先端1/3と前の方にある小臼歯(しょうきゅうし)が着色の影響を受けやすいです。
3~6歳の時に飲んだ影響
3~6歳くらいの時期に服用すると、前歯の根元1/3と奥の方にある大臼歯(だいきゅうし)が着色の影響を受けやすいです。
歯は、全体が一斉に成長するのではなくて、一部分ずつ成長するんですね。永久歯が生える前はどの年齢でも影響が出る場合があります。テトラサイクリン系抗生物質は、8歳未満の小児には使用を推奨していません。
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どのくらいの量と期間を飲むと注意が必要?
- テトラサイクリン系抗生物質を、10日間以上服用する。
- 今までに飲んだテトラサイクリン系抗生物質の量が、3gを超える。
となると、着色の注意が必要と言われています。
例えば、体重10kgの子供が一回の治療で、ミノマイシン顆粒を飲む量を考えてみると…
1日当たり、ミノマイシン1.5g
それを7日とすると、総量が10.5gと軽く3gを超えてしまいます。
こうなると、1回でもテトラサイクリン系抗生物質を飲んだことがある場合は、注意となりますね。
テトラサイクリン系抗生物質を避けるには…
医師の判断によって、テトラサイクリン系抗生物質が処方されます。
この抗生物質が処方されることがある病気は、
- マイコプラズマ肺炎などの呼吸器感染症
- にきびなどの皮膚感染症
- クラミジア症
などです。
この抗生物質を服用するのが心配なときは、
- 医師に診察の際に「歯牙着色が心配」と伝える。
- 薬剤師に「歯牙着色が心配で、ちょっとお薬を飲みたくない」と伝える。
- お薬手帳に「テトラサイクリン系抗生物質の服用歴を記入しておく。」
と専門家に相談することが大切です。
特に、お薬手帳に薬の記録をしておくと、客観的な証拠になります。会計で言うと領収書になります。いつ、どこで、どの薬を、どれだけの量を飲んだかを示す証拠です。
この証拠を見せつつ専門家に相談すると、ちょっと対応が変わることがありますよ。
歯牙着色の対処法
実際、永久歯が生えてきて歯牙着色に気づいたらどうしたらいいのでしょうか?
まず、薬などを服用して、歯牙着色になってしまった歯を元の色にすることは難しいです。
歯の表面にアプローチして、白くすることで白い歯にすることができます。
具体的には、
- 歯のホワイトニングをする。
- 歯の表面に薄い人工の歯をつける。(ラミネートニベア)
- 歯のマニキュアをする。
などです。
お家で簡単に歯のホワイトニングができる
パールクチュールとかがいいのではないかと思います。
まとめ
- 歯牙着色とは、テトラサイクリン系抗生物質が原因の歯の着色。
- 8歳未満の子供がテトラサイクリン系抗生物質を飲むときは要注意。
- 歯牙着色が起こってしまったら、歯の表面をホワイトニングすることで対処できる。
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