マイコプラズマ肺炎と言われて、薬をもらいました。
抗生物質をもらうことも多いと思うのですが、その薬ってどういうものなのでしょうか?
まとめてみました。
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マイコプラズマの薬、有効な抗生物質
マイコプラズマ肺炎には、以下3グループの薬が有効です。
- マクロライド系抗生物質
- ニューキノロン系抗生物質
- テトラサイクリン系抗生物質
マクロライド系抗生物質
マクロライド系抗生物質で代表的なものには、
クラリスロマイシン(商品名:クラリス、商品名:クラリシッド)があります。
ニューキノロン系抗生物質
ニューキノロン系抗生物質で代表的なものには、
レボフロキサシン(商品名:クラビット)があります。
テトラサイクリン系抗生物質
テトラサイクリン系抗生物質で代表的なものには、
ミノサイクリン(商品名:ミノマイシン)があります。
マイコプラズマの薬、無効な抗生物質
マイコプラズマ肺炎には、以下2グループの薬は無効です。
- ペニシリン系抗生物質
- セフェム系抗生物質
ペニシリン系抗生物質
ペニシリン系抗生物質で代表的なものには、
アモキシシリン(商品名:サワシリン、商品名:パセトシン)があります。
セフェム系抗生物質
セフェム系抗生物質で、代表的なものには、
セフカペンピボキシル塩酸塩(商品名:フロモックス)があります。
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マイコプラズマに使用する抗生物質の違い
マクロライド系抗生物質には、耐性を持っているマイコプラズマが多いと言われています。
耐性とは、薬に対する抵抗性があるということ。本来有効である抗生物質が効かなくなるという困った現象です。抗生物質の過剰な使用や、薬を服用する人が服用を忘れてしまい、治療を中途半端な状態で終わらせてしまうことで、耐性菌が発生すると言われています。
しかし、耐性を持っていないマイコプラズマには、マクロライド系抗生物質が一番有効であるため、第一選択薬としてマクロライド系が選ばれることになります。
処方例
クラリス錠200mg 10日分
or
ミノマイシン錠100mg 7日分
など。
より詳しい抗生物質のデータは、
抗生物質の強さ比較 抗菌力はどの種類の抗生物質が一番強いのか?
で、説明しています。
子供のマイコプラズマの抗生物質による治療
これは、副作用の観点から、まずマクロライド系が使われることが多いです。
ニューキノロン系抗生物質の副作用に、動物実験で関節異常が認められています。ヒトで関節異常が起こるかどうかは確認されていませんが、安全性を優先して小児への投与は原則できません。しかし、オゼックスだけは小児に対して保険適応があり、処方されることがあります。
関節異常に関しては、ニューキノロン系抗生物質の副作用は、どんなものがあるの?の記事でも説明しています。
テトラサイクリン系抗生物質の副作用に、歯牙着色があります。歯に色素沈着がおきてしまい、一度なると元に戻らないという困った性質があります。特に永久歯が生える頃の8歳未満の小児に対して注意が必要です。
歯牙着色に関しては、テトラサイクリン系抗生物質の副作用 歯牙着色ってどんな症状?の記事でも説明しています。
まとめ
- マイコプラズマ肺炎に有効なのは、マクロライド系、ニューキノロン系、テトラサイクリン系抗生物質。
- マイコプラズマ肺炎に無効なのは、ペニシリン系、セフェム系抗生物質。
- マイコプラズマは、マクロライド系に耐性を持っていることが多いが、第一選択でマクロライド系が使われることが多い。
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