「あれっ、最近においが感じにくいな…。なぜだろう?」
「耳鼻科で好酸球性副鼻腔炎(こうさんきゅうせいふくびくうえん)と言われた。」
2000年頃から、『好酸球性副鼻腔炎』という従来の副鼻腔炎とはちょっと違うタイプの副鼻腔炎が増えているといいます。
副鼻腔炎だと嫌なにおいを感じることが多いのですが、好酸球性副鼻腔炎は、におい自体を感じなくなってしまうそうです。
好酸球性副鼻腔炎と普通の副鼻腔炎は、どう違うのでしょうか?
あなたがこの記事を読むことで、好酸球性副鼻腔炎について理解する手助けになればと思います。
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好酸球性副鼻腔炎とは?
両側の多発性鼻茸と粘調な鼻汁により、高度の鼻閉と嗅覚障害示す、成人発症の難治性副鼻腔炎である。
難病情報センターより
鼻茸とはポリープのことです。
炎症症状が慢性的に続くことで鼻の穴の中にポリープが出来てしまい、空気の通りが悪くなってしまいます。その結果、鼻づまりがおきたり、臭覚を感じる細胞に炎症が生じてしまい、においがわからない状態になったりします。
そして、いきなり咳き込んで、咳がとまらない状態になったりする人もいます。
好酸球性副鼻腔炎は、難病指定の病気です。日本に2万人の患者がいると推定されています。
6年で50%の人が再発するというとても再発のしやすい病気です。
好酸球性という位だから、好酸球が関係すると思うのですが、そもそも好酸球とはなんでしょうか?
好酸球とは?
好酸球性は、免疫を司る働きをする白血球の一種です。
エオシン(エオジン)という染料で染色されるので、好酸球性と呼ばれます。
通常、血液中には数%(およそ10%未満)含まれています。
Ⅰ型アレルギーや寄生虫の感染によって増加します。
Ⅰ型アレルギーとは、IgE抗体やヒスタミンが関与する即時型のアレルギー反応です。
気管支喘息やアレルギー性鼻炎、じんましんやアトピー性皮膚炎などの有名なアレルギーの病気はⅠ型アレルギーに関係します。つまり、アレルギー性鼻炎や気管支喘息をお持ちの方が好酸球の値を調べると、値が上昇していると考えられます。
寄生虫に感染していても増えるんでしょ?とお思いの方もいるかと思います。しかし、現代の日本では衛生環境が極めて良いので寄生虫に感染することは非常にまれです。
なので、好酸球の値は主にⅠ型アレルギーの病気の指標として用いられることもあります。
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好酸球性副鼻腔炎の症状は?
好酸球性副鼻腔炎は、副鼻腔炎+セキ(呼吸器の症状)が現れることがあります。
好酸球が副鼻腔に集まると炎症や鼻づまりが出ます。肺に集まると喘息のようなセキなどの症状が出ます。
鼻がつまると口呼吸になってしまいます。その結果、乾燥した空気を体内に直接取り込んでしまうため、セキの症状が出やすい状態になります。
4つある副鼻腔のうち、特に篩骨洞に好酸球が集まります。
その結果、目の奥の痛みを訴える人の割合が多いです。
そして篩骨洞は、においを感じるセンサーがあるため、においがわからなくなる人が出てきます。
好酸球が関与するので、喘息の人がなりやすい病気です。
女性の方がかかりやすい病気で、治りが悪いです。
好酸球性副鼻腔炎の治し方は?
細菌の感染が原因でないので、抗生物質が効きません。ステロイド薬を飲むことが治療となります。
これに対して、従来の副鼻腔炎は細菌感染が原因のため、抗生物質を飲むことが基本の治療となります。
まとめ
- 好酸球性副鼻腔炎は、好酸球が増加するにおいがわからなくなりやすい病気。
- 好酸球性副鼻腔炎は、ステロイドを飲むことで治療をする。
- 従来の副鼻腔炎は、抗生物質を飲むことで治療する。
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