「○○先生は専門医だから。」
「いやいや、○○先生は指導医なんだよ。」
何気なく使う言葉、専門医と指導医の違いって知ってますか?
ベストドクターの記事を書いているときに、『専門医』という言葉を繰り返し使っていました。その他に『指導医』という言葉もあります。自分では専門的な知識を有する医師という認識で使っていたのですが、あまり深くは考えていませんでした。
専門医という言葉は、前に放送していたドクターXの大門未知子というドラマでも、
群れを嫌い、権威を嫌い、束縛を嫌い、専門医のライセンスと叩き上げのスキルだけが彼女の武器だ!
ドクターX 大門未知子のナレーションより引用
という毎回聞くナレーションでも、聞き覚えがあります。
そもそも専門医ってどんな制度なのでしょうか?
『専門医』と『指導医』の違いはなんでしょうか?
調べてみました。
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専門医制度とは
学会が認定した医師に与える肩書きのことです。
学会により異なりますが、経験を積むことによって、登録医、認定医、専門医、指導医などと名称が変わっていきます。
でも、具体例がないとちょっとわかりにくいですね。
たまたま、前に耳鼻咽喉科の専門医である北原糺Drの記事を載せていました。
試しに日本耳鼻咽喉科学会のページで、耳鼻咽喉科専門医になるまでの道のりを調べてみましょう。
耳鼻咽喉科専門医になるまでの道のり
専門性に関する資格の取得条件
1.日本国の医師免許を有する者。
2.連続して3年以上、日本耳鼻咽喉科学会の正会員である者。
3.日本耳鼻咽喉科学会が基準に基づいて認可した耳鼻咽喉科専門医研修施設において、研修カリキュラムに従い臨床研修終了後4年以上の専門領域研修(そのうち3年以上は耳鼻咽喉科専門医研修施設における研修でなければならない。)を修了した者。
日本耳鼻咽喉科学会のHPより引用
まずは、医師免許がないといけないのは、誰が見ても明らかですね。
次に、学会が認定する専門医制度なので、いずれかの学会に入らなければいけません。今回は、耳鼻咽喉科専門医となりたいので、耳鼻咽喉科学会に入会します。3年以上続けなくてはいけないんですね。
そして、学会が認定した耳鼻咽喉科専門医研修施設で、4年以上専門領域の研修を積まなければいけません。
上記の条件をみたして専門医の申請をし、学会に認定されれば耳鼻咽喉科の専門医と名乗ることができます。
今見たのは、耳鼻咽喉科学会だけですけど、こうしてみると専門医と名乗るのは、一朝一夕ではできないことがわかります。
つづいて、専門医の先には指導医がありますね。
どんな条件になるのか、見てみましょう。
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耳鼻咽喉科指導医になるまでの道のり
専門研修指導医申請
資格
次のいずれにも該当し、かつプログラム統括責任者(予定)が認めていること
(1) 耳鼻咽喉科専門医の更新を1回以上行った者
(ただし専門医制度委員会にて同等の臨床経験があると認めた者を含める)
(2) 年間30例以上の手術に指導者、術者、助手として関与している者
(3) 2編以上の学術論文(筆頭著者)を執筆し、筆頭演者として5回以上の学会発表(日耳鼻総会・学術講演会、日耳鼻専門医講習会、関連する学会、関連する研究会、ブロック講習会、地方部会学術講演会)を行った者
日本耳鼻咽喉科学会のHPより引用
まずは、専門医になって専門医の更新を1回以上行わなくてはいけません。
次に、年間30例以上の手術に関与しなくてはいけません。計算すると、月に2.5回以上手術と関わることになりますね。
そして、学術論文の発表と学会発表もこなさなくてはいけません。
指導医となるのはかなり大変な道のりですね。
まとめ
- 専門医制度とは、学会が所属する医師に与える肩書き。
- 専門医となるには、医師免許を持ち、学会に所属し、学会が認定した施設で研修を積む。
- 指導医となるには、専門医となり、学術論文や学会発表もこなさなくてはいけない。
- 大門未知子は、群れを嫌うのに、学会には所属していた(笑)
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