「あ、頭痛だ。頭痛薬を飲まなきゃ。毎日飲むけど大丈夫かな。」
「頭痛が止まらない日に、イブを10錠も飲んでしまう…。やばいよね…。」
など頭痛薬の飲みすぎを気になっている方は多いと思います。
実は、頭痛薬の飲みすぎて起こる頭痛があるのです。その名は薬物乱用頭痛です。
今回は、薬物乱用頭痛について説明していきたいと思います。
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薬物乱用頭痛とは
もともと頭痛を持っている人が、痛みを抑えるために頭痛薬や鎮痛薬などを長期間服用することで起こる頭痛のことをいいます。
慢性的に痛み止めを飲むことによって、だんだんと薬が効かなくなっていきます。
それを補おうとして、薬を飲む量や回数が増えていきます。
いわば負のサイクルに入ってしまうのです。
頭痛
↓ 頭痛薬を飲む ↓ 頭痛が止まらない ↓ 頭痛薬を増やして飲む ↓ 頭痛が止まる ↓ 再び頭痛 ↓ …以下繰り返し。 |
薬物乱用頭痛の判断基準
- 1ヶ月の内、その半分の15日以上痛み止めを飲む。
- 薬の量も増やして飲んでいても、だんだんと効き目が悪くなる。
- 朝に目覚めた時から頭痛がする。
この3つの症状が当てはまっている場合は、要注意です。
なぜ薬物乱用頭痛が起こってしまうのか?
薬物乱用頭痛が起こってしまうのは、私たちの体の仕組みと関係があります。
人は、自分の脳で痛みを和らげる仕組みを持っています。
実際に痛みが発生した時にその仕組みを利用して痛みを自然に和らげます。その仕組みでも痛みが和らげられない場合には、強い痛みとして認識して頭痛薬などを服用します。
ところが、頭痛薬を反復継続的に飲みすぎてしまうと、脳は自分が痛みを和らげることをしなくても、また痛み止めが体の中に入ってきて、痛みを止めてくれるだろうと考え、自分は働かなくていいやと思います。脳が怠けるのです。
これは子供が宿題をするのと、何となく似ているのかもしれません。
本来、子供が宿題をやるべきです。
しかし、宿題を親に手伝ってもらう経験を毎日しているとどうなるでしょうか。
子供は自分自身で宿題をすることなく、親に手伝ってもらうのが当たり前になるでしょう。
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どんな薬で薬物乱用頭痛が起こるの?
- 市販薬の痛み止め
- トリプタン系の痛み止め
- エルゴタミン製剤の痛み止め
- オピオイド系の痛み止め
- カフェイン
片頭痛の方は、早め早めに薬を飲むように指導をされるケースがあるので、ついつい薬物乱用頭痛になりやすいといえます。
また、上記の中でオピオイド系とカフェインはまた違ったメカニズムで頭痛を引き起こします。どちらも脳にとっては、ちょっと気持ちの良い物質です。
なので、その物質を脳は欲しがります。
どうすればその物質が手に入るのでしょうか?
それは、痛みや身体症状を起こすのです。欲しくて欲しくてたまらない状態を作り出せばまた、脳はその物質を手に入れることができます。
実は、このメカニズムは麻薬などと非常に近いのですが、依存性の強さの違いによってカフェインなどは麻薬には分類されません。
薬物乱用頭痛の治し方は?
原因となっている薬をやめることが最も大切です。
2つの方法があります。
- すぐに薬を中止する方法
- 薬の量を徐々に減らす方法
すぐに薬を中止する方法のほうが治療成績は良いです。2週間くらいは頭痛が辛い状態が続きます。しかし、その後は痛みが嘘のように治まったと言う人もいます。脳の機能が元に戻ったんですね。
薬の量を徐々に減らす方法では、今まで使っていたのと違うタイプの痛み止めで対処します。
市販の鎮痛薬イブなどを乱用していた人は、トリプタン系薬剤の頓服に切り替えます。
トリプタン系薬剤を乱用していた人は、NSAIDsの痛み止めを多めに使うか、トリプタン系でも違うメーカーのものに切り替えて使用したりします。
まとめ
- 頭痛薬を慢性的に飲むことで、脳の機能が低下して薬物乱用頭痛が起こる。
- 1か月で15日以上痛み止めを飲むようだと、薬物乱用頭痛の恐れあり。
- 薬物乱用頭痛を治すのには、原因の薬を減らすことが大切。
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