「病院でもらう便秘の薬ってどんなものがあるの?」
「テレビでやってた非刺激性の便秘薬ってなに?」
「下剤、便秘薬をまとめて知りたい。」
など、色々と知りたいことがあると思います。
今回は、病院でもらう便秘薬、下剤の種類についてまとめてみました。
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下剤の種類分け
まず、下剤を大きく3つのカテゴリーに分けてみます。
- 機械性下剤(非刺激性)
- 刺激性下剤
- その他(腸液分泌促進、座薬、浣腸など)
イメージ図にすると、こんな感じです。
代表的な薬を表で示しています。
代表的な商品名 | 一般名 | 種類 | クセになりにくさ |
---|---|---|---|
マグミット | 酸化マグネシウム | 塩類下剤 | ◎ |
モニラック | ラクツロース | 糖類下剤 | ◎ |
バルコーゼ | カルメロースナトリウム | 膨張性下剤 | ◎ |
ヒマシ油 | ヒマシ油 | 小腸刺激性下剤 | × |
プルゼニド | センノシド | アントラキノン系下剤 | × |
ラキソベロン | ピコスルファートナトリウム | ジフェノール誘導体 | △ |
アミティーザ | ルビプロストン | 腸液分泌促進薬 | ○ |
大建中湯 | 大建中湯 | 漢方薬 | ○ |
新レシカルボン坐剤 | 炭酸水素ナトリウム
無水リン酸二水素ナトリウム |
座薬 | ○ |
グリセリン浣腸 | グリセリン | 浣腸 | × |
※クセになりにくさ
◎:クセにとてもなりにくい。
○:クセになりにくい。
△:クセになることがある。
×:クセになりやすい。
機械性下剤(非刺激性)
機械性下剤は、塩類下剤、糖類下剤、膨張性下剤の3つがあります。
消化された食べ物のカスに作用し、腸を直接刺激することはないのが特徴です。
そのため、続けて使っていてもクセになりにくいと言えます。
塩類下剤、糖類下剤は、特にけいれん性便秘に有効です。
塩類下剤
- 酸化マグネシウム、マグラックス、マグミット(有効成分:酸化マグネシウム)
- 硫酸マグネシウム(有効成分:硫酸マグネシウム)
- 人工カルルス塩(有効成分:硫酸ナトリウム)
効き方
塩類下剤は、周りから水分を引き寄せて、便をやわらかくする効果があります。
代表的な薬は、【酸化マグネシウム】という成分を含んでいるものです。
酸化マグネシウムは、便秘の第一選択薬になります。
糖類下剤
- D-ソルビトール(有効成分:D-ソルビトール)
- モニラック(有効成分:ラクツロース)
効き方
糖類下剤も塩類下剤と同様に、周りから水分を引き寄せて、便をやわらかくする効果があります。
通常の砂糖は、腸で吸収されますが、体に吸収されない糖が便を緩くする効果をもちます。
ガムに入っているキシリトールなども糖類で、お腹をゆるくすることがあります。
膨張性(ぼうちょうせい)下剤
- バルコーゼ(有効成分:カルメロースナトリウム)
- カンテン
効き方
水を含むと膨らんで膨張します。
便のかさまし効果や腸の運動を活発化させる効果があります。
膨張性下剤は、不溶性食物繊維と同じような効き方をします。
弛緩性(しかんせい)便秘に有効です。
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刺激性下剤
刺激性下剤は、小腸刺激性下剤と大腸刺激性下剤の2つがあります。
腸に直接働きかけ刺激し、運動を活性化して排便を促す薬になります。
腸の働きが低下している弛緩性便秘に有効です。
続けて服用していると、下剤の刺激なしでは排便ができないようになる可能性があります。
小腸刺激性下剤
- ヒマシ油(有効成分:ヒマシ油)
効き方
ヒマシ油に含まれるリシノール酸が小腸を刺激して、便を押し出す運動を活発化させます。
昔は下剤として広く使われていましたが、現在は誤飲や食中毒、手術前の腸内洗浄の目的で使われることが多いです。
ヒマシ油と近い効き方をする食品として、オリーブオイルがあります。
アントラキノン系(大腸刺激性下剤)
- センナ、アジャストA、ヨーデルS、アローゼン(有効成分:センナ)
- センノシド、プルゼニド、センノサイド(有効成分:センノシド)
- ダイオウ、セチロ配合錠(有効成分:ダイオウ)
- アロエ(有効成分:アロエ)
効き方
植物由来の成分で、大腸を刺激することで蠕動運動を活発にして排便を促進します。
便秘薬の中で、最も使われている成分です。多くの市販の便秘薬にも含まれています。
尿がアルカリ性だと、赤色になります。
継続的に使用すると、大腸黒皮症になる可能性があります。
【関連記事】便秘薬 コーラックなどの大腸刺激性の下剤ってどんな薬なの?
ジフェノール誘導体(大腸刺激性下剤)
- ピコスルファートナトリウム
- ラキソベロン
- シンラック
- スナイリン
- チャルドール
効き方
上記の薬は、すべて有効成分がピコスルファートナトリウムです。
大腸の腸内細菌で一度分解され、その後大腸を刺激します。
ジフェノール系の下剤は、同じ大腸刺激性のアントラキノン系の下剤と比べて、連用によってクセになりにくいです。
液体タイプの便秘薬もあり、「1回何滴かを水に垂らして飲む」などの飲み方の指示があります。
その他
腸液分泌促進薬
- アミティーザ(有効成分:ルビプロストン)
効き方
小腸にある塩素イオンの出し入れに関わる場所に作用して、腸液分泌を促進します。
その結果、食べ物の食べカスの移動がスムーズになったり、水分が十分に含まれるようになりして便秘が解消します。
最近使われるようになった新しい薬です。
漢方薬
- 大建中湯(だいけんちゅうとう)
効き方
体を温め、消化管の調子を取り戻します。
腹痛やお腹の張り、腸閉塞(イレウス)などの症状のときに使われます。
中に含まれている人参(にんじん)、乾姜(しょうきょう)などの生薬に体温を上げる作用があるので、冷え性の方におすすめです。
座薬
- 新レシカルボン坐剤(有効成分:炭酸水素ナトリウム、無水リン酸二水素ナトリウム)
- テレミンソフト坐剤(有効成分:ビサコジル)
効き方
新レシカルボン坐剤は、肛門に一番近い腸である直腸に作用します。
座薬が溶けて、少しずつ二酸化炭素を発生させ、おだやかに刺激します。
直腸性便秘の方や、刺激性下剤の使い過ぎで便意がなくなってしまった人に再び便意を起こさせるために使われます。
テレミンソフト坐剤は、大腸刺激性下剤の仲間です。
有効成分のピサコジルが、結腸や直腸を刺激して腸の運動を活発化させます。
ビサコジルは、市販薬のコーラックの有効成分でもあります。
浣腸
- グリセリン浣腸
- ケンエーG浣腸
効き方
有効成分のグリセリンが、腸の中に入って便と腸のすべりをよくしたり、腸を刺激するなどして排便を促します。
使用して10分以内に効果がある即効性があります。
続けて毎日使用していると、大腸刺激性下剤と同様に浣腸の刺激なしには排便できないようになることがあります。
まとめ
- 機械性下剤は、連用してもクセになりにくい。
- 刺激性下剤のアントラキノン系は、最もよく使われる便秘薬の成分。
- 浣腸は、使用すると即効性がある。
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