「セフェム系抗生物質の副作用って何?」
「セフェム系だけに起こる特別な副作用ってあるの?」
「色々と副作用のことを知っておきたい。」
など、副作用について興味があると思います。
今回は、セフェム系の抗生物質の副作用についてまとめてみました。
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ショック、アナフィラキシー、中毒性表皮壊死融解症
セフェム系の抗生物質が、体質的に合わない方がいます。そうすると、発汗、口腔内の発疹、皮膚の発疹、粘膜に水泡ができるなどの症状が出る場合があります。
こちらの記事でも説明しています。
低カルニチン血症
- セフカペンピボキシル(商品名:フロモックス)CFPN-PI
- セフジトレンピボキシル(商品名:メイアクト)CDTR-PI
- セフテラムピボキシル(商品名:トミロン)CFTM-PI
上記、第3世代のセフェム系抗生物質を飲んでいる時に、起こることがある副作用です。
低カルニチンと書いてある通り、血液中のカルニチンという物質が不足することで症状が起こります。具体的には、低血糖症状による意識障害やけいれんなどです。
カルニチンは、エネルギーの運び屋的な役割を担っています。不足してしまうと、うまくエネルギーを生み出すことができなくなって低血糖のような症状が出てしまうのです。
薬の名前から低カルニチン血症が起こるかを区別する方法があります。それは、薬の名前の後ろの部分に「〇〇ピボキシル」と書いてありますよね。これが、他の薬との違いです。
このピボキシルというのは、2つの作用があります。
一つは、薬の吸収を高める作用。元々吸収率が悪い物質にピボキシル基をつけることによって、経口投与が可能になったのです。これがなかったら、飲み薬は発売されなかったかもしれません。
もう一つの作用は、カルニチンによって代謝排泄されて、カルニチンを消費する作用。この結果、低カルニチンが起こる場合があります。
乳幼児は特に注意
低カルニチン血症は、小さい子供に起こりやすく、成人にはあまり起こらない副作用です。
赤ちゃんや小さい子供は、中耳炎になりやすいです。その治療のためにセフェム系抗生物質が長期間使われることがあります。
14日以上セフェム系抗生物質を継続して服用する場合などは、低カルニチン血症のリスクが高まるので、注意が必要です。
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セフェム系とアルコールの相互作用
- セフメタゾール(商品名:セフメタゾン)CMZ
- セフォペラゾン(商品名:セフォペラジン、セフォビッド)CPZ
- セフメノキシム(商品名:ベストコール)CMX
- ラタモキセフ(商品名:シオマリン)LMOX
上記4つのセフェム系の抗生物質は、アルコールと相互作用を起こすことがあります。
具体的には、顔が赤くなったり、脈が速くなったり、吐き気がおきたり、頭痛がしたりです。
まさに、悪酔いの症状そのものです。普段お酒に強い人でも、まるでお酒に弱い人のようになってしまいます。このことを、アンタビューズ作用、またはジスルフィラム作用と言います。
この現象が起きてしまう原因は、上記のセフェム系の抗生物質が代謝されるときに、アルデヒドデヒドロゲナーゼという酵素の働きを抑えてしまうからです。その結果、アルコールの代謝物のアセトアルデヒドが蓄積してしまい、悪酔いの症状が出てくるのです。
この悪酔い症状をさけるために、薬を飲んでいる間と飲み終わってから3日間は、アルコールを飲まないようにしましょう。
まとめ
- 小さい子供が14日以上セフェム系抗生物質を服用するときは、低カルニチン血症に注意。
- アルコールとの相互作用を防ぐために、セフェム系を服用中はお酒を飲まない。
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