「ニューキノロン系の抗生物質って、どんな副作用があるの?」
「ニューキノロンって、子供が飲んではダメって聞いたけど、ホント?」
「ニューキノロンって、強い薬ってよく目にするけど、副作用も強いの?」
など、色々な疑問があると思います。
今回は、ニューキノロン系の抗生物質の副作用についてまとめてみました。
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低血糖症状
ニューキノロン系抗生物質を服用した後に、血糖値の変動によって低血糖症状が出ることがまれにあります。具体的な症状は、冷や汗をかく、動悸がする、意識障害が起こるなどです。
特に注意が必要な人は、糖尿病で治療中の人、腎臓の機能が低下している人、高齢者などです。
低血糖が起こった場合は、速やかにブドウ糖の摂取をすると血糖値が上昇して症状が改善します。ブドウ糖がない場合は、甘いものやジュースを飲む事でも大丈夫です。
けいれん誘発
てんかんなどのけいれんに関係する病気を持っている場合、ニューキノロン系抗生物質を飲むとけいれんが起こってしまう場合があります。
しかし、飲んではダメという決まりではないです。医師の判断によってけいれん等の罹患歴があっても、ニューキノロン系抗生物質が問題なく処方されることもあります。
お薬手帳などを利用して、今まで飲んだ抗生物質を記録しておくと役立ちます。
ニューキノロン系抗生物質を飲んで、けいれんが起きなければ大丈夫だという記録になるし、もし運悪く副作用が起きた場合でも、今後その薬を飲むことを避けることができます。
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関節異常
多くのニューキノロン系の抗生物質は、乳児から小児までは使用しないこととされています。その理由は、動物実験レベルでの副作用にあります。
幼い犬や若いラットにニューキノロン抗生物質を投与したとき、関節異常の副作用症状が出たことがあったためです。
海外の報告ですが、ヒトでも同じような副作用があったという報告があります。
そのため、安全性を優先して小児などには基本的には使わないこととされているのです。
例えば、クラビット錠500mgを10歳の子供に使うことはない訳です。
ちなみに、成犬では関節異常の報告はないので、成人には問題なくニューキノロン系の抗生物質を使用できます。
子供に使えるニューキノロンは、一部だけ
- ノルフロキサシン(商品名:バクシダール)NFLX
- トスフロキサシン(商品名:オゼックス、トスキサシン)TFLX
先ほど、ニューキノロン系の抗生物質は、基本的に子供には使えませんよとお話をしましたが、実は例外的に子供に使えるものがあるのです。
それは、バクシダールやオゼックスになります。なぜ、子供に使えるのでしょうか?
その理由の一つは、医学界からの要請と言われています。
近年は、過剰な抗生物質の乱用により、抗生物質に対する耐性菌の増加が問題になっています。したがって、ニューキノロン系の抗生物質の中で、関節に対する副作用が少ないものを小児に使えるようにできないかと。
例を挙げて考えてみましょう。 子供がかかりやすい病気に中耳炎があります。
その原因菌の『肺炎球菌』『インフルエンザ菌』は、本来はペニシリン系やセフェム系の抗生物質が有効です。しかし、抗生物質が長く使われてきた結果、従来の抗生物質に対して抵抗するものがでてきたのです。
そうすると、ペニシリン系やセフェム系の抗生物質では、治療がうまく進みません。
そこで、肺炎球菌やインフルエンザ菌に従来とは異なるアプローチで治療ができるように、ニューキノロン系抗生物質で治療ができると、医師も患者も助かるのです。
日本で関節異常の報告は、多くは上がってきてないようです。
しかし、子供が1年間で、1か月に1回はオゼックスを飲んでいるというような状況は、関節異常が起こってもおかしくないと思うので、注意が必要です。
ちなみに、関節異常の初期症状は、『ひざの痛み』や『ひじの痛み』などの関節の痛みという形で出てきますので、そのような症状が出た場合は、専門家に相談をしましょう。
まとめ
- 糖尿病や高齢者の方は、低血糖での意識障害に注意。
- てんかん等の病気の方は、てんかん誘発のリスクあり。
- 子供が関節の痛みを訴えたときは、要注意。
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