セキの症状で、抗生物質が処方【される・されない】の差は、どこにあるの?

セキの症状と抗生物質1 抗生物質

セキの症状と抗生物質1

「セキをして病院にかかって、抗生物質が出ないときってどんなとき?」

「抗生物質を飲めば、どんなセキもよくなるの?」

「お医者さんは、セキの診断のときにどんなことを考えているの?」

など、色々な疑問があると思います。

 

今回は、セキの症状で病院にかかったとき、抗生物質が処方される・されないの差についてまとめてみました。

 

 

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セキ診断と抗生物質のフローチャート

セキの診断 フローチャート2

 

この図は、もし私が医師の立場になったら、セキの診断のときに考えることを表したものです。実際のお医者さんは、たくさんの病気の知識をもっているので、これよりももっと色々なことを考えていると思います。

 

結論を言えば、細菌感染が原因でセキが出ているときは、抗生物質の治療が必要ということです。

△という結論は、ウイルス性感染症です。この意味は、ウイルスに抗生物質は無効だけれど、場合によっては処方されることもあるということです。

 

まずは、セキでも感染性と非感染性の区別が、大切になると思います。

 

感染性と非感染性とは?

感染性とは、病原体がヒトに感染して増殖して、症状が出る病気のことです。

簡単にいうと、人にうつる病気が感染性があるといえます。

具体的には、溶連菌感染症やインフルエンザ感染など、身近な病気があります。

 

それに対して、非感染性とは病原体が原因ではない病気のこと。

人にはうつりません。

例えば、気管支喘息は本人がセキ症状が出ていても、周りの人が咳き込むことはないのです。

 

 

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細菌性とウイルス性

感染性の病気である場合、細菌かウイルスのいずれかが原因になります。

例えば、風邪の原因が細菌かウイルスによるものかの確率は、細菌性の場合がおよそ2割、ウイルス性の場合がおよそ8割です。

 

抗生物質は、細菌に有効で、ウイルスには無効です。

なので、細菌性の感染症の場合には、治療のために医師が処方します。

ウイルスに有効なのは、抗生物質ではなく抗ウイルス薬になります。

 

  細菌 ウイルス
抗生物質 ×
抗ウイルス薬 ×

 

では、風邪などの感染症で、セキの症状がある場合には、抗ウイルス薬を使えば良いと考える人もいると思います。

しかし、ウイルスは数百を超える種類があり、遺伝子の変異速度が細菌に比べて速いため、現状ではなかなか有効な薬が開発されていません。現に風邪を起こす原因ウイルスの1つである「コクサッキーウイルス」に対して有効な薬はありません。

でも、人間には免疫機能が備わっているので、ウイルスに対して攻撃や撃退手段を持っているから大丈夫なのです。

 

【関連記事】インフルエンザはウイルスと菌の2種類 抗生物質が効かないのはどちら?

 

非感染性のセキ

非感染性のセキとは、感染症が原因でないセキです。

喘息の仲間の病気として、咳喘息やアトピー咳嗽があります。

他の病気としては、副鼻腔気管支症候群や心不全が原因のセキなどがあります。

 

【関連記事】 ためしてガッテン 咳の見分け方と止め方。はちみつで咳が止まる。

 

喘息だけの症状の場合は、基本的に抗生物質は不要です。

気管支の炎症を抑える吸入薬での治療が基本となります。

 

ただ、風邪などをひいて喘息と風邪の合併症状がある場合には、抗生物質が処方されるケースもあります。

 

 

まとめ

セキの症状があって、抗生物質が処方されることが多いケースは細菌性の感染症の場合。

感染症でも、ウイルスが原因の場合は、基本的に抗生物質は無効。

喘息など人にうつらない病気のときは、抗生物質は処方されない。

 

 

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