「ヨーグルトの乳酸菌は、胃酸で死んでしまうから意味がないってホント?」
「どの種類の乳酸菌を食べたら、より効くの?」
「乳酸菌が多く含まれている食べ物って何?」
など、色々な疑問があると思います。
今回は、ヨーグルトに含まれる動物性乳酸菌と植物性乳酸菌の違いや効果についてまとめてみました。
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ヨーグルトに含まれる動物性乳酸菌とは?
動物の乳の中から見つかった乳酸菌のことです。
ミルクに含まれる乳糖を分解して、乳酸を作ります。
乳糖以外の糖は分解できず、栄養や環境条件が整ったものを好みます。
高い塩分濃度では、生きられません。
ちょっとデリケートで、繊細なイメージですね。
動物性乳酸菌が含まれる食べ物
動物の乳を原料として、発酵させた食べ物に多く含まれます。
具体的には、
- チーズ、ヨーグルト、牛乳などの乳製品です。
動物性乳酸菌を食べるとどうなる?
植物性乳酸菌と同様に、乳酸を作って腸内環境を改善してくれます。
また、胃酸に消化されてしまい死んでしまった死菌でも、腸内環境を改善する効果があります。
動物性乳酸菌と胃酸の関係
動物性乳酸菌は、胃酸に対して抵抗性がないため、消化されて死んでしまいます。
そのため、ヨーグルトをいっぱい食べても、あまり効果がないよと言う人もたまに見かけます。
でも、実は死菌でもちゃんと効果があったんです。
殺菌酸乳の保健効果
発酵乳に含まれる生きた乳酸菌の作用を除くため、マウスに殺菌酸乳を用い、1群90匹のマウスを、普通飼料投与群、牛乳14%添加飼料投与群、殺菌酸乳14%添加飼料投与群の3群に分け、離乳期から一生にわたって試験飼料を与えて寿命をしらべました。その結果、普通飼料群、牛乳投与群がそれぞれ平均寿命84.9週と84.4週で変わらなかったのに対し、殺菌酸乳投与群では平均寿命は約7週間(8%)伸び、91.8週という結果が得られました(図)。なお、この実験に使用した殺菌酸乳はL.helveticus、Saccharomyces cervisiae から成るスターターで長時間発酵・熟成した殺菌酸乳です。この成績から、殺菌酸乳の中に含まれる乳酸菌の発酵生成物か、あるいは乳酸菌の菌体成分が、延命に何らか有効に働いているものと推測されました。また、この実験で各群の腸内菌叢を調べた結果、殺菌酸乳群では他の2群よりビフィズス菌の菌数が常に約10倍高く、このことも何らか延命に影響を及ぼしていると考えられました。
大和薬品株式会社HPより引用
腸に住んでいる他のビフィズス菌などのエサになって、増殖を促すのです。
また、腸管免疫機構に働きかけて、免疫力を高める効果も期待できます。
ヨーグルトを食べて、動物性乳酸菌が死んでしまっても整腸効果があるよと言われると、無駄じゃなかったんだと安心しますよね(^^)
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植物性乳酸菌とは?
植物や野菜から見つかった乳酸菌のことです。
自然の中で生きていて、住んでいる環境が過酷でも生きようとして適応したため、色々な環境変化に対して強い一面があります。
塩漬けなどの高い塩分濃度でも生きられます。たくましい乳酸菌なんですね。
そして、他の細菌と共存、共栄するという特徴もあります。
植物性乳酸菌が含まれる食べ物
食べ物では、植物を原料として発酵させたものに多く含まれます。
具体的には、
- ぬか漬け、しば漬け、すぐき、野沢菜、辛子高菜など、野菜の漬物類。
- しょうゆ、みそなど、大豆発酵食品。
- 日本酒、甘酒など、お米の発酵食品。
世界の料理
- 韓国 キムチ
- 中国 ザーサイ
- ドイツ ザワークラウト(キャベツの塩漬け)
などにも植物性乳酸菌が含まれています。
植物性乳酸菌を食べるとどうなる?
ブドウ糖、ショ糖、果糖など色々な糖を分解して乳酸を作り、腸内環境を改善してくれます。
さらに嬉しいポイントは、生きたまま腸に届いてくれるということ。
多くの植物性乳酸菌が腸に届けば、より多く乳酸を作ってくれます。
植物性乳酸菌は、生きたまま腸に届く
でも、他の細菌はなぜ腸まで届かないのでしょうか?
その秘密は、人の胃から分泌される胃酸にあります。
胃酸は、pH2前後のとても強力な酸です。普通の菌はそこを突破する前に、酸に分解されてしまいます。悪い菌や病気から守ってくれるとても大切な働きでありますが、同時に体に良い菌もみんな分解されてしまいます。
でも、植物性乳酸菌なら大丈夫。
自然という過酷な環境で生活していたので、胃酸や塩分が高いなど他の菌が生きていけないような条件でも生きられるのです。
体に良くて、胃酸に強い植物性乳酸菌って頼もしいですね。
まとめ
- 動物性乳酸菌は、胃酸で消化されて死菌になってしまうが、腸内環境を改善する効果がある。
- 植物性乳酸菌は、胃酸に強いため、生きたまま腸により多く届く。
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