「なんか、耳の奥が痛いかも…。」
「あれ、知らない間に耳垂れが出てる…。」
子供がかかることが多い中耳炎の治し方と原因を知っていますか?
中耳炎と名前だけは知っているけど、詳しく聞かれると実はよくわからない。
そんなあなたのために、急性中耳炎についてまとめてみました。
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中耳炎の原因は?
中耳炎とは、文字通り耳の中の中耳(ちゅうじ)という部分に炎症が起こる病気です。
急性中耳炎とは?
細菌やウイルスが中耳にまで入り込み、そこで爆発的に増殖して炎症症状が起こると、急性中耳炎となります。なぜ、細菌やウイルスが内耳までくるのかというと、内耳と鼻をつなく耳管(じかん)が関係しています。
鼻炎や風邪をひいて鼻水をすすると、鼻の奥から耳管を通じて中耳に鼻水が移動する逆行性感染が起こる場合があります。特に、小児の場合は耳管の発達が未熟です。成人と比べて、太く、角度もまっすぐなため鼻や喉の影響を受けやすい状態にあります。
耳管の粘膜の腫れやアデノイドによる圧迫など、様々な要因で耳管の働きが正常に保てなくなりやすいです。その結果、大人と比べて急性中耳炎になりやすい傾向になります。
プールで耳に水が入ると、中耳炎になるのか?
お風呂やプールで、耳に水が入っただけでは、中耳炎にはなりません。
その理由としては、水は鼓膜までは入ってきたとしても鼓膜よりも先には行かないからです。
鼓膜は外耳と内耳の仕切りです。
もし炎症が起こるとしたら、鼓膜より手前の外耳の部分に起こることはありえます。
外耳の部分に炎症が起こった場合、それは外耳炎と呼ばれます。
耳かきのしすぎで耳を傷つけた場合などでも、外耳炎になることがあります。
急性中耳炎の原因菌
肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラクセラ・カタラーリスによるものが3大原因菌と呼ばれています。
なお、インフルエンザ菌というのは、流行性のインフルエンザを引き起こすものとは別物です。あちらは、インフルエンザウイルスになりますね。
- インフルエンザ菌 → 細菌。中耳炎の原因菌
- インフルエンザウイルス → ウイルス。流行性インフルエンザの原因。
なお、近年は抗生物質に抵抗性を持つ肺炎球菌やインフルエンザ菌も多く検出されています。
割合としては、5割以上とも。
その場合、どのような抗生物質で治療してきたかの記録等が大切になってきますので、お薬手帳などを利用して、今まで飲んできた抗生物質を記録するようにしましょう。
急性中耳炎の症状
耳の痛み、耳垂れ、発熱などの症状が出ます。
加えて、鼓膜が赤くなったり、腫れるので、耳の聞こえがおかしくなる場合や高い所に上った時に耳に膜が張る感じがすると訴える人がいます。
特に、赤ちゃんの発熱の場合、熱の中耳炎が原因であることが比較的多いので、発熱の症状+耳を気にしている素振りなどがわかったら、耳鼻科の受診をした方がよいです。
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急性中耳炎の治し方
軽度の場合は自然治癒を期待し、3日間の経過観察をします。
中程度、重症の場合は、薬物療法や鼓膜切開、チューブ留置をするケースもあります。
急性中耳炎での抗生物質
薬物療法で使われる抗生物質は、以下のものがよく使われます。
- サワシリン:ペニシリン系抗生物質のアモキシシリン
- クラバモックス:ペニシリン系抗生物質のアモキシシリン+クラブラン酸
- メイアクト:セフェム系抗生物質のセフジトレンピボキシル
- オゼックス:ニューキノロン系抗生物質のトスフロキサシン
- オラペネム:カルバペネム系抗生物質のテビペネムピボキシル
耳鼻科で中耳炎と診断されると、抗生物質を5日間処方される場合が多いようです。
例えば、最初にサワシリン5日分が処方されます。
その後、しっかり服用したのにも関わらず効果不十分だと、オゼックスやオラペネムなど他の抗生物質に変わることがあります。
急性中耳炎での鼓膜切開
急性中耳炎になると、中耳に細菌が増殖した液がたまってしまいます。
その液を出すために、鼓膜を切開して膿を出すことは有用です。
細菌が減少して、鼓膜の動きが良くなります。
その結果、自覚症状が改善するといったことが起こります。
切開した鼓膜は、3~4日経てば元のきれいな状態に戻るとされています。
しかし、鼓膜切開しても、治療に差は出ないと考える耳鼻科の先生もいらっしゃるみたいです。この辺は、先生の知識や経験、治療法の哲学によるものが多いと思うので、鼓膜切開をするかの選択は、よく主治医の先生と相談して下さい。
まとめ
- 中耳炎の原因は、鼻をすするなどして中耳に細菌が入り増殖することで起こる。
- 中耳炎の症状は、耳の痛み、耳垂れ、発熱。
- 中耳炎の治療は、軽症だと経過観察、それ以外ではサワシリンを飲むことが多い。
- 中耳炎の鼓膜切開は、自覚症状の改善に役立つが、しなくても治療に差はないこともある。
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