血液脳関門は、神経細胞を守る門番。

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血液脳関門(けつえきのうかんもん)は、血液中の物質が脳の中に移動するのを制限する。

いわば門番のような働きをします。

血液脳関門って、その名前を初めて聞く方もいると思います。

脳の中に必要な物質を入れて、不要な物質を入れない大切な働きをしてくれています。

血液脳関門について、調べてみました。

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血液脳関門と物質の脳内への移行

すべての物質は、脳に入る前に、血液脳関門(BBB:blood brain barrier)という関所を通過しなくてはいけません。

1.血液脳関門を通過する物質

血液中の物質 → 血液脳関門 → 脳内の血液へ

2.血液脳関門を通過しない物質

血液中の物質 → 血液脳関門 → 体の中の血液へ

血液脳関門は、血液に含まれる物質の移動を制限することで、脳の神経細胞を守る働きをしています。基本的に脳に役立つ物質は自由に通過させて、脳に害になる物質は通過させない働きを持ちます。

具体的にいうと、神経細胞の活動に必要なグルコースや酸素、体で産生されたケトン体などは自由に移動できます。細菌やウイルスなどは、血液脳関門を通過することができません。

しかし、アルコール、ニコチン、カフェイン、抗うつ薬なども血液脳関門を通過してしまいます。神経細胞の立場から言えば、どちらかといえば害になる物質です。

実は、物質の中には脳の中に移行しやすいものと、移行しにくいものがあります。

その違いはなんでしょうか?

血液脳関門を通過しやすい物質の3つの特徴

1.分子量500以下の物質

分子量というのは、物質の大きさを表す単位です。

この分子量大きいほど、大きい物質となります。

分子量が500以下の物質は、大きさが小さいと見なされ、血液脳関門を通過しやすいです。

薬での例をあげるとすると、脳に作用する薬です。

睡眠薬や向精神薬などは、分子量が500以下のことが多く、血液脳関門を通過して薬の効果を発揮します。

2.脂溶性が高い物質

脂溶性とは、油に溶ける性質のことです。

油に溶けやすいものほど、血液脳関門を通過しやすいです。

物質は、水に溶けやすい水溶性と油に溶けやすい脂溶性に分かれます。

どちらかに溶けやすい性質を持つものや両方に溶ける性質をもつ物質もいます。

アルコールや麻薬などは、脂溶性の性質を持ちます。

3.もともと通過出来る物質

血液脳関門をもともと通過してしまう物質も中にはあります。

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血液脳関門と薬の移行しやすさ

上記の3つの条件を具体的な物質に当てはめて考えてみましょう。

デパス(エチゾラム)と血液脳関門

デパスは、安定剤や抗不安薬として使われることがある薬です。

分子量が342.85

→分子量が500以下となり、血液脳関門を通過しやすいです。

エタノールにやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。

→どちらかといえば、脂溶性の性質で血液脳関門を通過しやすいです。

医薬品の情報を見てみると、

視床下部、大脳辺縁系の扁桃核に作用する。

デパスのインタビューフォームより

と記載があるので、脳内に移行して薬の効果が発揮されることがわかりました。

サワシリン(アモキシシリン)と血液脳関門

サワシリンは、抗生物質で細菌をやっつける働きがある薬です。

分子量が419.45

→分子量が500以下となり、血液脳関門を通過しやすいです。

水又はメタノールに溶けにくく、エタノール(95)に極めて溶けにくい。

→どちらかといえば、水溶性の性質で血液脳関門を通過しにくいです。

サワシリンの適応症に、中耳炎や外傷などの記載はありますが、脳炎の治療の記載はありません。

よって、サワシリンを飲んでも脳の中に入り込んだ細菌には効かないことがわかります。

2つの物質を比べてみてわかること

血液脳関門を通過しやすい3つの特徴は、あくまでも参考ということです。

実際に物質が脳の中に移行するかを調べなければ、本当に移行するかはわからないです。

まとめ

  • 血液脳関門は、脳の中に入ってくる物質を制限する門番のような働きをする。
  • 脳内に入ってきやすい物質を推測することはできるが、実際に調べなければ正確なことはわからない。

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